インサイドセールスが辛いと言われる理由とは?辛いと思わせない体制づくりのポイントも解説!
インサイドセールスは移動の手間がなく、フィールドセールスより楽だと思っている方もいるかもしれません。
しかし、ノウハウが少ない中で多くの顧客を相手にするインサイドセールスは辛いという意見も多く聞かれます。
この記事では、インサイドセールスが辛いと言われる理由と、モチベーションを高めてやりがいを生むための体制づくりのポイントを解説します。インサイドセールス担当者の定着率に悩む担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
インサイドセールスが辛いと言われてしまう理由
インサイドセールス担当者が辛いと感じてしまうのはどのような状況なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
なお、スキル的・性格的にインサイドセールスに向いていない人は辛いと感じやすいため、向き・不向きについて理解しておくことも大切です。インサイドセールスに向いている人・向いていない人の特徴については、下記の記事を参考にしてください。
社内でノウハウが確立されていない
インサイドセールスの発祥は1990年代のアメリカです。日本では営業といえば対面でおこなうフィールドセールスの基本でしたが、国土の広いアメリカでは顧客が遠方にいることが少なくないため、インサイドセールスは早い段階から普及していました。
近年は新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、日本でも非対面で行えるインサイドセールスが注目を集めています。しかし日本におけるインサイドセールスはまだ歴史が浅く、 多くの会社では充分なノウハウを蓄積できていません 。
ノウハウの蓄積には長い時間がかかりますが、そのような中でもインサイドセールス担当者は目標達成を数値として上げることが求められます。そのため、他の営業パーソンと比べるとどうしても個人の負担が大きく、辛いと感じがちです。
研修などのサポートが足りていない
研修などのサポートが不足していると、辛い状況に陥りやすくなります。
特にインサイドセールスの担当者は、社外の人と接することがメインの業務になるため、 十分な研修を受けずに業務に臨んでしまうと、成果を得られないばかりか、社内外からの批判を集めてしまいます 。
一人で負担する業務量が多い
インサイドセールスは移動時間を必要としないため、フィールドセールスに比べると多くの案件を同時にこなせるメリットがあります。
しかし、一人で担当する見込み顧客(リード)の数が多くなるため、「どのリードにアプローチをしたか」「どのリードが商談につながったか」といった、 顧客管理の業務量が増える傾向があります 。顧客管理が甘くなると同じリードに重複してアプローチしてしまうこともあり、リードとの信頼関係を崩す原因につながります。
適切ではないKPIが設定されている
KPIが不適切な場合も、インサイドセールスを辛いと感じやすくなります。
インサイドセールスでは、案件仮数やメール開封率などをKPIとして設定することが一般的です。しかしインサイドセールスへの理解がない会社では、 的はずれな項目や、現実的ではない数値をKPIに設定し、担当者に負担を強いてしまう ケースがあります。
電話やメールをしても顧客から冷たい反応をされる
インサイドセールスでは購買意欲が高まっていないリードにもアプローチするため、 冷たい反応が返ってくることも少なくありません 。
具体的な提案をしても、「まだそこまで考えていない」と断られることもあります。営業活動がいつも成功するわけではないとわかっていても、断られ続けると辛く感じるものです。
また、インサイドセールスでは電話やメールなど非対面でコミュニケーションをするため、相手に伝わる情報が不足しがちです。フィールドセールスでは熱意や人柄が伝わり話を聞いてくれても、インサイドセールスでは話を聞いてくれさえしないかもしれません。
他部門との板挟みになりやすい
インサイドセールスの担当者は、 マーケティングとフィールドセールスの中間の立ち位置 であるため、双方の板挟みとなりやすいです。
インサイドセールスの担当者は、マーケティング部門が集めたリードの育成を行い、成約につながりそうなリードをフィールドセールスの担当者に回すのが役割です。フィールドセールスに回すリードが少なければマーケティングから不満が上がり、フィールドセールスに回したリードの質が低ければフィールドセールスからも責められます。
確度の高いリードばかりをフィールドセールスに回せられれば良いですが、実際は難しいでしょう。板挟みになる立場の難しさも、インサイドセールスが辛いと言われる原因のひとつです。
やりがいや達成感を感じにくい
インサイドセールスの業務範囲は、確度の高いリードをフィールドセールスに引き渡すまでです。そのため、フィールドセールスの 営業担当者が感じていた「成約」という大きな達成感を得られません 。
インサイドセールスを立ち上げたばかりでノウハウが構築されていないうちは、テレアポを終始行う時期もあり、モチベーションが低下してしまいがちです。
インサイドセールスは辛い・大変と思わせない体制づくりのポイント
インサイドセールスが辛いと思わせないようにするには、次のポイントを押さえた体制づくりが重要です。
- 適切なKPIを設定する
- 生産性が上がるツールを導入する
- マニュアル化を行いノウハウを共有する
- 教育体制の見直しを行う
- 部門ごとの役割を明確化させる
- 定期的に他部署との交流の場を設ける
- 定期的に個人面談を行う
- 柔軟な働き方を取り入れる
それぞれ詳しく解説します。
適切なKPIを設定する
インサイドセールスの目的に応じたKPIを設定しましょう。 インサイドセールスの目的は、リードを育成し、受注につながるアポイントメントを取ること です。この目的を達成するためには、案件化数、受注数、メール開封率などをKPIとするのが良いでしょう。また、KPIは定期的に見直し、より適切なものになるよう改善を図ります。
生産性が上がるツールを導入する
CRMやSFAなどのツールを導入し、インサイドセールスを効率化することで、担当者の負担を軽くすることができます。
インサイドセールスは移動時間がなく、より多くのリードにアプローチすることが可能です。しかし対応するリードの人数が増えれば、顧客管理が煩雑化し、担当者の負担も重くなるでしょう。そこでおすすめなのが、 顧客管理を効率化できる、CRMやSFAなどの営業支援ツール です。
CRMは顧客情報を一元管理できる顧客管理ツール、SFAは社内の営業情報を管理できる営業支援システムです。これらのツールを用いることで、インサイドセールスとフィールドセールスの連携がスムーズになり、顧客へのフォローアップ体制が整います。顧客満足度の向上も期待できるので、ツールの導入は積極的に検討しましょう。
マニュアル化を行いノウハウを共有する
日本におけるインサイドセールスは、普及し始めてからまだ日が浅いため、充分なノウハウを持たない会社が少なくありません。そのため、社内でノウハウを共有しながら、徐々に マニュアル化を進める ことが重要です。
成績が良い営業担当者の手法をマニュアルに盛り込んだり、トークスクリプトを作成したりして、チーム全体にノウハウを共有し、チーム全体の底上げを図りましょう。
教育体制の見直しを行う
インサイドセールス担当者のモチベーション低下を防ぐには、 仕事に慣れるまでの教育体制や、ミスをしたときのフォロー体制を整える 必要があります。
教育体制やフォロー体制が整備されていると、自信を持って業務を遂行できるようになり、業務に必要な知識を積極的に習得してくれるようになります。現状の教育体制やフォロー体制が十分かどうか、定期的に見直すようにしましょう。
また、教育担当者によって指導の内容が異なると、教えられる側は混乱してしまいます。教育の手順や内容が統一されているかをチェックし、教育担当者側への指導も怠らないようにしましょう。
部門ごとの役割を明確化させる
部門ごとの役割を明確に分け、 運用ルールをきちんと定めておく ことで、スムーズな連携が可能になります。
例を挙げます。マーケティング部門では、SEOや広告、SNSなどを活用して、リードの獲得およびホットリードの抽出を行います。インサイドセールスはマーケティングから渡されたリストをもとに電話やメールでのアプローチを行い、質の高いリードを選定します。フィールドセールスは購買意欲の高まったリードを受け継ぎ、商談の受注に尽力します。
このように各部門の業務範囲を明確にして、適切な人員配置ができると、ストレスなく業務を遂行できるようになります。
定期的に他部署との交流の場を設ける
定期的に他部署や他部門と交流する機会を設けましょう。
積極的にコミュニケーションをとるとフィードバックを得る機会が増え、インサイドセールスの業務改善につながります。また、 他部署や他部門の理解が得られれば、組織全体として協調性を持って営業活動ができるようになります 。
定期的に個人面談を行う
担当者がひとりで業務を抱え込まないように、定期的に個人面談を行いましょう。
インサイドセールス担当者の個人面談では、 営業部門や会社全体においてインサイドセールスはどのような役割を果たしているかを理解してもらうこと が重要です。部下にねぎらいの言葉をかけながら、じっくりと面談に取り組むようにしましょう。
柔軟な働き方を取り入れる
働き方改革が推進されている背景もあり、会社に出社して定時まで勤務するという従来の働き方が見直されています。
リモートワークやフレックスタイム制など、柔軟な働き方を導入しましょう。勤務地や勤務時間を選択できるようにすると、離職率やモチベーションの低下を防げます。また、離れた地域に住む人も雇用できるようになり、 優秀な人材を確保する機会が増える こともメリットです。
インサイドセールスが辛いと言われる理由と体制づくりのポイントまとめ
日本におけるインサイドセールスは歴史が浅く、ノウハウが完全に確立されていません。一人あたりの業務負担量が大きく、従来の営業が感じていた成約時の達成感を味わうこともできないため、人によっては辛いと感じるかもしれません。
インサイドセールスにやりがいを持たせ、積極的に業務に取り組んでもらうには、適切なKPIの設定やツールの導入、教育体制の見直しなどの対処が必要です。
社内全体でのインサイドセールスの立ち位置を確認し、他部署との情報共有をしながら自社にあった運用方法を構築して、会社全体で目標の達成ができる仕組み作りを目指してみてください。