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インサイドセールスのメリット・デメリットをわかりやすく解説

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、相手を訪問しない内勤型の営業スタイルであるインサイドセールスが注目されています。インサイドセールスは営業活動の効率化やリード獲得・育成にも効果的ですが、対面のフィールドセールスに比べてどのような効果があるかわかりにくいかもしれません。

この記事では、インサイドセールスのメリットやデメリット、インサイドセールス導入後に生じやすい問題点について解説します。効果がわからずインサイドセールス導入に迷っている担当者の方は、ぜひ最後までお読みください。

インサイドセールスのメリット

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インサイドセールスのメリットは、次の通りです。

  1. 1日あたりの商談数・リード獲得数を増やせる
  2. 労力を抑えて見込み客のつなぎ止め・ナーチャリングができる
  3. 人手不足を解消できる
  4. 業務の属人化を防げる
  5. 業務の場所が限定されない
  6. 営業活動の履歴が残りデータを活用できる

それぞれ詳しく解説します。

1.1日あたりの商談数・リード獲得数を増やせる

フィールドセールスは商談と商談の間に移動があるため、1日に多くても4、5件訪問するのが限界です。顧客のいる場所によっては、商談よりも移動時間の方が長くなることもあります。

一方、インサイドセールスは基本的に電話やメールを用いるため、 移動時間が必要ありません 。余った時間を営業活動に充てることができ、1時間の商談であれば1日に最大8件の商談も可能です。

また、 商談の準備に時間をかけられるようになるため、質の高い商談を実施できます 。受注率の向上が期待でき、リード獲得数を増やすことも可能です。

2.労力を抑えて見込み客のつなぎ止め・ナーチャリングができる

インサイドセールスでは、見込み客をつなぎ止めたり、見込み客にナーチャリングを行ったりする際に、フィールドセールスのように訪問先まで足を運ぶ必要がありません。

見込み客の購買意欲が低い場合は、定期的な情報発信でナーチャリングを行えます。また、購買意欲が低くても購買の見込みがある見込み客に対してのアプローチも、インサイドセールスが担当できます。

インサイドセールスでは、競合他社に顧客を取られる前にアプローチが可能です。 購買意欲の高まった顧客を絞り込み、フィールドセールスがアプローチをかけることで、営業活動全体の効率化につながる でしょう。

3.人手不足を解消できる

人手不足を解消するために新規採用をかけようとしても、採用活動には時間や手間、費用がかかってしまいます。

 インサイドセールスでは1人でアプローチできる人数が多いため、新規採用をかけなくてもすぐに多くの商談が可能です 。リードの獲得や育成はインサイドセールス部門に任せ、受注の可能性が高いリードに絞ってフィールドセールス担当者が営業をかければ、少ない人数でも効率的に営業活動が行えます。また、SFAやMAツールを活用するとさらに業務の効率化につながります。

4.業務の属人化を防げる

担当者の勘やコツに頼っていた従来の営業活動では、リードに対してのアプローチ方法や商談化のタイミングの判断は各営業担当者に任されていました。そのため、担当の異動や退職に伴う引き継ぎがうまくいかないなど、業務の属人性が高い職種でした。

しかし、 インサイドセールスは業務を標準化しやすく、ツールを使って営業活動の共有や優先度の可視化ができるため、属人化を防ぐことができます 

誰がどのリードにどんなアプローチをしたかを記録・数値化するため、フィールドセールスへのリードの引き渡しもスムーズです。

業務の標準化がしやすいインサイドセールスは、新人育成にかかる時間が短く済み、即戦力となるまでの期間を短縮できるメリットもあります。

5.業務の場所が限定されない

インサイドセールスは電話やメールを用いるため、働く場所が限定されません。近年増加傾向のテレワークにも対応可能で 働き方が選択できるため、新たな人材確保や人材流出の防止につながります 

また、オンラインで働けることで、企業のBCP対策にもなります。BCPとは事業継続計画のことで、企業が災害などの緊急事態に遭遇した場合の被害を最小限に抑え、事業を継続できるように対策や方法をまとめることです。インサイドセールスはオフィスに出社できない状況でも働けるため、BCP対策の一環としても有効なのです。

6.営業活動の履歴が残りデータを活用できる

インサイドセールスは フィールドセールス担当者に業務を引き継ぐために、必ず業務活動のデータを残す必要があります 。数値化されたデータによってリードの獲得から育成、受注までの分析がしやすくなり、半年や1年後の売上予測も分析できます。また、数値に基づいた指導もしやすく、新人育成を効率的に行うことが可能です。

顧客に対しても、データの活用は可能です。過去のやりとり、どの見込み客にどんなアプローチをしたかの詳細な履歴が残っているため、別の担当者が重複した営業活動をしてしまうことを防止できます。

インサイドセールスのデメリット

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インサイドセールスはうまく活用できれば効果はあるものの、デメリットもあります。

  1. 情報共有のための体制作りが必要
  2. インサイドセールスのノウハウの構築が必要
  3. 対面よりも信頼が得にくく難度の高い交渉に向いていない

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.情報共有のための体制作りが必要

もともと一人で行っていた営業活動をフィールドセールスとインサイドセールスが分担して行うため、担当者の間で部門横断的な情報共有が必要になります。

共有する情報が増えると、SFAやCRM、MAなどのツールの導入も必須となります。しかし、ツールの導入には費用や慣れるまでの人的コストがかかるため、使いやすいツールを選定しなければなりません。

また、 ツールの活用も大切ですが、担当者同士が能動的にコミュニケーションを取り、しっかりと情報共有を行うことが結果につながります 。コミュニケーションが不足すると、インサイドセールスは失敗してしまいます。部門間で連携がとれるように、情報共有の体制作りを構築することが大切です。

インサイドセールスを成功させるには、マーケティングやフィールドセールスと分業を行い、コミュニケーションを取りながら連携をとるのが理想です。

2.インサイドセールスのノウハウの構築が必要

従来の営業手法で培った経験やコツは、インサイドセールスにある程度活かせるでしょう。しかし、リードナーチャリングの段階では見込み客の購買プロセスを想定し、どの段階にいるのかを電話やメールで見極める必要があるため、これまでの営業活動と異なる独自のノウハウが必要です。

インサイドセールスを内製化すると、運用コストが抑えられる、ノウハウが社内に蓄積されるなどのメリットがあります。しかし、 インサイドセールスの経験者がいない場合、はじめの成功事例が出るまで情報収集や知識の習得を積極的に行う 必要があります。

3.対面よりも信頼が得にくく難度の高い交渉に向いていない

インサイドセールスにおいて、顧客が担当者の信頼を得られるかどうか判断する材料は、電話だと話しぶりや声だけ、メールでは文章に限られます。そのため、 姿勢や身振り手振り・場の空気感も判断材料にできる対面に比べて顧客の反応がつかみづらく、信頼を獲得しづらい 可能性が高いです。

また、車や不動産などの有形かつ高単価の商品は「対面で信頼関係を構築した後に購入したい」という顧客のニーズがあるため、インサイドセールスよりもフィールドセールスが向いています。この場合、インサイドセールスは見込み客のニーズをヒアリングするのに留め、フィールドセールスに交渉を任せる運用が良いでしょう。

インサイドセールス導入後に生じやすい問題点

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インサイドセールスを初めて導入する場合、従来では発生しなかった問題が生じることがあります。あらかじめ知っておけば対策ができるので、スムーズにインサイドセールスを導入するためにもよくある問題点を確認しておいてください。

定量的な成果ばかりに目が向いてしまう

インサイドセールスを導入すると営業プロセスを細分化するため、アポイント獲得数などノルマを細かく設定されることが多くあります。すると、 ノルマの達成ばかりが注目されるようになり、見込み客とどれだけ素晴らしい信頼関係を構築できたとしてもプロセスの評価はされない 事態が起きやすくなります。

また、ノルマの達成に目を向けるあまり、「購買につながらない見込み客からインサイドセールスが強引にアポイントを獲得したが、フィールドセールスが訪問すると見込み客はまだ訪問を望んでいなかった」など、 無駄な営業活動が発生する こともあるのです。

担当者のマネジメントが難しい

インサイドセールスは在宅勤務の機会も多く、 出社する場合に比べてマネジメントが難しくなります。 

対面ではホワイトボードなどを用いてミーティングができますが、在宅勤務ではWeb会議でのミーティングになるため、対面と同じようなコミュニケーションをとれないことがあります。営業戦略を部署内で共有する場合、オンラインでも内容をうまく伝えられるように工夫しなければなりません。

また、在宅勤務は周囲の目がないことから、電話やメールなどインサイドセールスの営業活動に必須の業務をしていなくてもわからないという問題があります。 従来の管理方法や評価制度を見直し、正当にマネジメントできる体制を作り直す 必要があるでしょう。

インサイドセールスのメリット・デメリットまとめ

インサイドセールスはリード獲得や育成に役立ち、営業効率を加速させるメリットがあります。一方、電話やメールでのアプローチは対面に比べて信頼を得にくいデメリットもあります。

見込み客と信頼関係を構築して成約につなげるためには、非対面であっても顔を合わせてアプローチするのがおすすめです。

インサイドセールスでは、ビデオ通話で商談を行うのがおすすめです。オンライン接客管理システムの VIVITLINK(ビビットリンク) では、簡単にオンライン商談のスケジュール調整が可能です。都合の良い日時を相手に選んでもらうだけで自動的にスケジュール調整できるため、アポイント獲得や顧客の育成がしやすくなります。興味があれば、お気軽にオンライン相談会にお申し込みください。

記事監修者

記事監修

津曲雄也マーケター・ウェブ解析士

マーケティング支援ツールのコンサルティングセールスとして導入支援をおこなう傍ら、自身もオンライン商談を月に50回以上実施。その知見を活かし自身が出演するYouTubeチャンネルでも動画を数多く公開。