ウェビナーの適正な設定料金は?開催にかかる費用も併せて解説
オンラインで行うウェビナーは、場所の制限がなく、主催側と参加者側の双方にメリットのあるセミナー形式として注目を集めています。
自社でウェビナーを開催しようと考えたとき、ネックになるのは料金設定です。高すぎても低すぎても集客や満足度に影響を与えるため、適切な料金設定はウェビナーの成功に重要なポイントです。しかし、どのように料金を設定すれば良いかわからない方も多いかもしれません。
また、ウェビナーを開催するには、どの程度の費用がかかるのかも気になるところです。
この記事では、適切なウェビナー料金の設定方法を解説します。ウェビナー開催にかかる費用も一緒に解説しているので、根拠を持ってウェビナーの料金設定ができるようになります。ぜひ最後までお読みください。
ウェビナーの料金の決め方
適切なウェビナーの料金は、次の項目を考慮して決定します。
- 時間(長さ)
- 扱う内容
- ターゲット
- 講師・主催者の実績
- 開催にかかる費用
それぞれ詳しく解説します。
時間(長さ)
ウェビナーにかかる時間が長くなるほど、ウェビナーの料金は高くなる傾向があります。
長時間にわたるウェビナーを開催すると、会場費や人件費などの運営コストが高くなります。外部から講師を呼ぶ場合は、さらにコストが発生します。費用を回収するためにも、時間に比例してウェビナーの料金が上がるのは仕方がないといえるでしょう。
参加者の視点で考えても、長時間のウェビナーは短いウェビナーよりも期待値が上がりやすく、ある程度高い価格でも許容される可能性があります 。
扱う内容
ウェビナーの参加者は、何かしら解決したい課題を抱えてウェビナーに参加します。
悩みの内容が専門的であれば、高い料金を払ってでも解決したいものです。 一般的に、専門家をゲストに呼ぶ場合、ウェビナーの参加費は高めに設定しても十分に集客が可能 です。
自社の商品やサービスの宣伝、見込み客の獲得など、広告もあわせてウェビナーを開催する場合は、参加費を抑えて集客を優先する方が良いでしょう。
ターゲット
ターゲットによってもウェビナーの料金は変動します。
起業家や投資家向けのウェビナーは、ビジネスで成功したいと考えている意欲の高い参加者が多く、参加費を高めに設定しても問題なく集客できます。
しかし、 学生や主婦向けのウェビナーを開催する場合、料金が高いと参加のハードルが上がってしまい、集客数は伸び悩んでしまいます 。
事前に考えたターゲットがどのような目的でウェビナーに参加するかを把握して、料金を決めるようにすることが大切です。
講師・主催者の実績
講師や主催者の実績やネームバリューが豊富な場合、料金を高めに設定しても集客が期待できます。
有名な講師や専門家が登壇するのであれば、ウェビナーに対する参加者の期待値は向上します。 実績や知名度を考慮して、料金設定を行いましょう 。
また、主催者が過去に大規模なセミナーを成功させて実績や、専門性の高さから業界でも一目置かれている存在であるならば、料金を上げても参加者は信頼してくれるでしょう。
開催にかかる費用
ウェビナー開催には、撮影機材や配信ツール、ゲストへの支払いなど、さまざまな費用が発生します。料金を低めに設定すると費用が回収できず、赤字になってしまうかもしれません。
コスト削減の工夫も重要ですが、あまりにも機材費などを減らしすぎると、配信のクオリティが下がる可能性もあります。
自社の商品やサービスの宣伝を兼ねているなど、 よほどの理由がない限り、採算のとれる料金設定にすることが大切 です。
ウェビナーの開催にかかる費用
ここでは、ウェビナー開催にかかる費用の項目とその内訳をご紹介します。
配信場所はオフィスの空きスペースを利用し、機材はノートPCに内蔵のカメラやマイクを利用するなど、工夫をすれば費用をかけなくてもウェビナーは開催できます。
しかし、既存顧客以外にも集客したい場合には、有料広告を活用したウェビナーの告知が欠かせません。また、大規模なウェビナーを開催したり、画質や音質のクオリティを高めたりしたい場合も、それなりの予算が必要です。
集客費用
ウェビナーの中身が素晴らしいものであっても、集客を行わなければ内容を伝えることはできません。
ウェビナーへの代表的な集客方法は、次の通りです。
- Web広告の出稿
- ポータルサイトへの掲載
- プレスリリースの発信
- SNS・自社メディアでの発信
- テレアポでの勧誘
- DMの送付
- 折り込みチラシ
Web広告は短期間でターゲットにアプローチできますが、数万円から数十万円の費用がかかります。 ポータルサイトやプレスリリースは、参加意欲の高いユーザーに宣伝が可能 です。ただし、数万円の料金が発生します。
テレアポやDMは、ターゲットを絞ってアプローチをすれば費用を抑えられますが、多くの手間がかかってしまいます。
SNSや自社メディアへの集客は、料金を抑えて集客が可能です。ただし、コンテンツや投稿内容の作成に人件費がかかるうえ、効果的に集客を行うためには運用のノウハウも必要です。
予算に合わせた集客方法を検討するようにしましょう。
スタジオのレンタル料金
配信機材をそろえられない、インターネット通信環境が整備できないといった場合、高品質な配信設備や安定したインターネット環境が利用可能なウェビナー配信用スタジオを利用する方法があります。
ウェビナー配信用スタジオの中には、配信場所をレンタルするだけでなく、撮影や編集のサポートまで行ってくれるところもあります 。場所のレンタルだけであれば1時間1万円台で利用できるスタジオもありますが、スタッフのサポートを受けたいのであれば、おおよそ1時間5万円以上の料金がかかります。
リハーサルつきのプランであれば、1時間10万円を超えることもあります。自社の用途に合ったウェビナー配信用スタジオを調査して、見積もりをとってみましょう。
ウェビナーツールの利用料
ウェビナーを開催するためには、ウェビナーツールの利用が必須です。
例えば、利用者の多い 「Zoomウェビナー」というツールでは、最も安いプランでも1ライセンスあたり月額10,700円 の料金がかかります。
他の代表的なウェビナーツールの料金表は、次の通りです。
ツール名 | 料金プラン |
ネクプロ | 月額5,000円〜 |
LiveOn | 初期費用:78,000円 月額3,000円 |
Microsoft Teams | 月額540円〜2,170円 |
Zoomミーティング | 月額2,000円〜 |
Webex Meetings | 月額1,490円〜 |
有料のツールは、機能や配信に役立つサービスが充実しています。利用したい機能が使えるウェビナーツールの契約を検討しましょう。
配信機材の購入・レンタル費用
ウェビナーを配信するために最低限必要な機材は、次の通りです。
- カメラ
- マイク
- 配信用のPC
- インターネット通信環境
さらに、照明・グリーンバック・三脚・スイッチャーなどの導入を検討すると、クオリティの高い配信が可能です。しかし、 高機能の機材ばかり揃えようとすると、予算がいくらあっても足りません 。
ウェビナーを頻繁に開催するのであれば、高機能の機材をそろえると良いかもしれません。単発のセミナーであれば、機材をレンタルすると余計な費用がかかりません。
自社の開催頻度を考慮して、予算の範囲内で機材をそろえるようにしましょう。
撮影・編集費用
ウェビナー撮影を外部のスタッフに委託した場合の費用相場は、次の通りです。
費用 | 相場 |
撮影費 | 3万円から25万円 |
動画編集費 | 2万円から15万円 |
オプション費用 | 3,000円から5万円 |
撮影スタッフが1人の場合、撮影費は3万円から5万円程度 かかりますが、スタッフの人数やカメラの人数が増えると比例して料金が増えていきます。動画編集の内容が簡単なものであれば少額で済みますが、長い動画や凝った編集を行うと高額になります。
その他にも、記録メディアの作成やジャケット作成などのオプション費用がかかります。
講師への謝礼金
自社のスタッフが講師を務めるのであれば不要ですが、外部から講師を呼んでウェビナー開催をする場合、講師に支払う謝礼金を準備する必要があります。
対面でのセミナーよりも謝礼金は少ない傾向があります。 90分から120分のウェビナーでは、謝礼金の費用相場は5万円から10万円 です。実績やネームバリューのある講師を招く場合、さらに謝礼は高額になります。
その他人件費
これまでご紹介したもの以外にも、ウェビナーで使用する資料を作成したり、ウェビナー当日に準備したりするスタッフの人件費もかかります。対面でのセミナーよりも受付や誘導の人件費は抑えられますが、オンラインのウェビナーでも、 開催前後で人件費が発生する可能性があることを意識 しましょう。
ウェビナーの開催費用を抑えるコツ
ウェビナーのクオリティを高めると、参加者の満足度は向上し、成約や購買につながりやすくなります。しかし、ウェビナーの予算には限りがあります。
ここでは、費用を抑えながら高品質のウェビナーを開催するためのコツをお伝えします。
設備がそろっているスタジオ・機材レンタルを利用する
高額な機材をそろえるよりも、設備が整っているウェビナー配信用スタジオや機材レンタルを活用する方が、最終的な費用を抑えられる可能性があります。
社内にウェビナー配信ができるスペースがあったとしても、スタジオや機材レンタルを利用した方が安く済むかもしれません 。
スタジオによっては、高性能のカメラやマイクが複数台利用可能です。他にも、映像切り替えのためのスイッチャーや三脚など、クオリティを高める機材が用意されています。
ウェビナー開催のためだけに、これらの機材を購入するのは大変です。高品質なウェビナー配信をしたいのであれば、外部の設備を利用することも検討してみてください。
開催規模に合ったウェビナーツールを選ぶ
ウェビナー開催の機会が増えるにつれて、さまざまなウェビナーツールが登場しました。
ウェビナーの成果を上げる高機能で大規模セミナーに対応可能なツールもありますが、同時接続可能人数や機能性の高さは、利用料金に比例する傾向にあります。
ツールの費用を抑えたければ、無料で利用可能なツールも検討してみてください。 YouTube LiveやFacebook Liveなどは、アカウントを持っているだけで無料のライブ配信が可能です 。
小規模なウェビナーであれば、ZoomやGoogle Meet、Skypeなどの無料Web会議ツールでも開催可能です。
お金がかからない集客方法を取り入れる
広告やポータルサイトを用いた集客は短期間で効果が見込めますが、どうしても費用がかかってしまいます。予算があまりないのであれば、無料でできる集客方法を取り入れましょう。
SNSの発信や既存顧客へのメールマガジン配信などの方法は、社内のスタッフが対応すれば、無料で集客が可能 です。集客の効果が表れるまでPDCAサイクルを回す必要がありますが、集客のノウハウが社内に蓄積するため、次回以降のウェビナーで効果的に集客することができます。
無料の集客方法は、効果が出るまで時間がかかります。有料の集客方法とあわせて取り組むと、費用対効果がより高まります。
ウェビナーの料金設定・費用の内訳まとめ
ウェビナーの料金設定は、開催時間や内容、ターゲット、講師の実績などで決まります。
大切なことは、自社に興味を持ってくれた参加者の悩みや課題を解決できるような、有益なウェビナーを配信することです。そのためには、機材やツール、編集などにこだわって撮影するのは有効な方法だといえます。
ただし、ウェビナー開催のために費用をかけすぎてしまうと、料金設定も高くなるため、参加者を集めることが難しくなってしまいます。費用を抑えるためには、スタジオや機材のレンタル、ツールの選定、無料の集客施策を行うことが有効です。
この記事を参考にして、利益を確保できる適切な料金設定をしてみてください。