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ウェビナーとは?開催する3つの価値と押さえておくべき基礎知識

ウェビナーは「ウェブ」と「セミナー」を合わせた造語で、オンライン上で行うセミナーのことです。新型コロナウイルスの影響で、対面式のオフラインセミナーに代わってウェビナーの活用の幅が広がっています。

しかし、ウェビナーを取り入れたいと思っても、有料ツールは必要なのか、集客はどうすれば良いかなと、わからないことも多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、ウェビナーの基礎知識や活用方法、注意点などを初心者の方に向けてわかりやすく解説します。

ウェビナーの配信形式や開催に必要な機材も具体的に紹介しますので、この記事を読めば、ウェビナーを開催するために必要な知識がひと通り身につきます。ぜひ、社内外のウェビナー開催にお役立てください。

ウェビナーって何?

ウェビナーって何?

まずは、ウェビナーの意味やWebミーティングとの違いなど、ウェビナーの基礎知識について解説します。

ウェビナーの意味

 ウェビナーとはインターネット上で行うセミナーのことで、Web(ウェブ)とセミナー(Seminar)を合わせた造語 です。ウェビナーの参加者はインターネットの通信環境さえあれば、どこにいてもウェビナーに参加できます。

講演会や会社説明会、商品紹介など、ウェビナーは幅広い用途で利用されています。Web会議システムで有名なZoomを使ったウェビナーでは、最大5万人の同時参加が可能です。

Webミーティングやオフラインセミナーとの違い

ウェビナーとWebミーティングはオンライン上で行われる点で共通しています。また、ウェビナーとオフラインセミナーは開催方法が違っていますが、両方ともセミナーである点は同じです。

ウェビナーと共通点を持ったWebミーティングやオフラインセミナーとの違いを、それぞれ解説します。

ウェビナーとWebミーティングの違い

ウェビナーとWebミーティングは、いずれもオンライン上で実施するものですが、利用目的が違います。

ウェビナーでは、通常のセミナーのように、主催者側から参加者に向かって一方向で配信します。ウェビナーの参加者同士でコミュニケーションをとる必要性はほとんどないため、基本的に参加者がカメラを使うことはありません。 ウェビナーは会社説明会や研修、講演会での利用に向いています 

一方のWebミーティングでは、参加者がカメラを使ってお互いの顔を見ながら双方向のコミュニケーションを取ります。社内ミーティングやオンライン商談での利用におすすめです。

ウェビナーとオフラインセミナーの違い

ウェビナーとオフラインセミナーは、参加者を集める会場が必要かどうかが異なります。

ウェビナーは会場の設営の必要がなく、参加者を集める会場の費用だけでなく設営に伴う人件費などのコストも削減できます。参加可能人数はオフラインセミナーよりも多くなり、より沢山の熱意ある参加者にセミナーを届けることが可能です。

一方、オフラインセミナーは目の前に参加者がいることでセミナーの雰囲気をリアルタイムに感じることができるため、セミナー中でも双方向のコミュニケーションを取ることができます。しかし、ウェビナーと比べて大きな費用がかかる、セミナーへの参加人数が限られるなどのデメリットがあります。

ウェビナーの有効な活用シーン

ウェビナーは次のようなシーンで活用できます。

  • 見込み顧客への情報提供
  • 既存顧客へのレクチャー
  • 採用活動
  • 社内研修

インターネット環境があればどこでも参加できることから、 国内のみならず、海外の見込み客に向けたアプローチも可能 です。また、既存顧客とのコミュニケーションにも活用できます。

また、ウェビナーは、社内研修や採用といった企業内の活動にも役立ちます。世界中から優秀な人材獲得のチャンスを増やしたり、海外に向けた研修を国内から行ったりすることも可能です。チャット機能や発言機能を利用することで、質疑応答の機会も作れます。

ウェビナーを開催する3つの価値

ウェビナーを開催する3つの価値

ウェビナーには次のようなメリットがあります。

  • 低コストで開催できる
  • 場所を問わず集客できる
  • 新規顧客へのアプローチの機会が増える

従来のオフラインセミナーと比較しながら解説します。

低コストで開催できる

オフラインのセミナーでは、会場の選定や当日の参加者対応による人的コスト、会場のレンタル費などで多くの費用がかかります。特に大規模なセミナーを開催しようとすると巨額なコストが発生するため、開催の頻度が限られてしまいます。

その点、 ウェビナーでは会場を用意する必要がなく、講師に支払う交通費や宿泊費も発生しないため、主催者側の費用を抑えることができます 。参加者も会場に向かうための交通費や時間を節約できます。

また、セミナーを録画しておき、自社のWebサイトに掲載するなど、コンテンツとしての二次利用も可能です。その結果、コンテンツ制作の費用を抑えることにもつながります。

場所を問わず集客できる

オフラインのセミナーは、集客のために都市部で開催されることが多く、地方に住む人が参加しづらいというデメリットがありました。ウェビナーはインターネット環境があれば参加できるため、日本全国だけでなく海外からでも参加者を募ることができます。

開催場所の制約がなくなることは、参加者だけではなく主催者側にも恩恵をもたらします。配信に必要な最低限の設備さえあれば良いため、講師も場所を問わず配信可能です。また、 地方の企業でも全国規模の自社セミナーを開催しやすくなります 

新規顧客へのアプローチの機会が増える

ウェビナーは自宅やオフィスから参加でき、参加費が無料であれば見込み客は気軽に参加してくれるでしょう。場所の制約があるオフラインのセミナーよりも集客がしやすく、見込み客へアプローチする機会を増やせる可能性があります。

また、ウェビナーはオフラインよりも参加人数を増やしやすいことも特徴です。オフラインのセミナーでは、会場に合わせて参加人数を制限する必要がありますが、 ウェビナーでは数万人規模のセミナーも簡単に開催できます 。参加可能人数に制限がなくなることで、より多くの新規顧客獲得の機会を生み出すことができるでしょう。

ウェビナーの開催で注意すべきポイント

ウェビナーの開催で注意すべきポイント

ウェビナーを開催することには多くのメリットがありますが、オフラインセミナーとは違ったウェビナーならではの問題が起こることがあります。ここでは、ウェビナー開催にあたって注意すべきポイントを解説します。

参加者が離脱しやすい

ウェビナーの参加者は、オフラインセミナーに比べて離脱しやすいという特徴があります。

オフラインのセミナーと異なり、ウェビナーでは参加者の表情や反応が見えづらいため、講師が参加者を置き去りにしてしまうことがよくあります。退屈な内容に興味がなくなった参加者は、セミナーの途中で他の作業を始めたり、ネットサーフィンをしてセミナーの終わりまでの時間を過ごしたりすることもあるでしょう。

また、 ウェビナーでは他の参加者の目を気にする必要がないため、「おもしろくない」「役に立たない」と思った時点で簡単に離脱してしまいます 

参加者の離脱を防ぐためには、セミナーに集中してもらえるように内容を工夫することが大切です。セミナーの途中でアンケートを取るなどして、双方向のコミュニケーションを行い、主体性を持ってセミナーへ参加してもらえる工夫をしましょう。質疑応答の時間も長めに取ることをおすすめします。

通信環境が原因で映像や音声が遅延する

インターネット接続をするウェビナーでは、主催者もしくは参加者の通信環境が原因で、映像や音声に遅延や通信障害が発生することがあります。

参加者の通信環境はひとりひとり違うため、完全に対策することはできませんが、 少なくとも主催者側のインターネット通信環境は事前に確認や対策を行いましょう 

Wi-Fiなどの無線接続ではなく有線LAN接続を使用すれば、高速で遅延もしづらく、通信環境が安定しやすくなります。しかし、どれだけ事前に対策しても、当日の遅延や配信停止といったトラブルが起きる可能性をなくすことはできません。

リアルタイム配信でも録画機能を使い、参加者が後から配信映像を再視聴できるようにするなど、トラブルを想定した対策を行いましょう。

参加者の反応が読み取りづらい

ウェビナーでは参加者のカメラをオンにせず開催することが多くあるため、参加者の表情や雰囲気がまったく読めないままセミナーを進行してしまいがちです。オフラインのセミナーに慣れていたとしても、反応が見えないウェビナーではきちんと内容が伝わっているか不安になるものです。

参加者の反応やウェビナーの雰囲気を探るために、ウェビナーの途中でアンケートやチャット機能で参加者とやり取りを行うのがおすすめです。

ウェビナーの配信形式

ウェビナーの配信形式

ウェビナーの配信形式は、大きく分けて次の2種類があります。

  • リアルタイム配信
  • 録画配信

それぞれの特徴やメリットについて解説します。

リアルタイム配信

リアルタイム配信とは、事前に告知した日時に生放送でウェビナーを開催する配信方法で、ライブ配信とも呼ばれます。リアルタイム配信には、「双方向配信」と「一方向配信」の2種類があります。

双方向配信

双方向配信では、 主催者と参加者がチャットやアンケート機能を使ってリアルタイムにコミュニケーションをとることができます 

また、ウェビナーは従来のオフラインセミナーのような臨場感があり、参加者が主体的に参加することで、より深い理解につながります。参加者の満足度も高まり、商談や契約といった次のステップに発展しやすい点が魅力です。

一方向配信

 一方向配信は、主催者が参加者へ一方的に話を行うウェビナーの形式 です。参加者からの質問が来ないため、主催者側の負担が少なくなります。

しかし、次にご紹介する録画配信との違いがほとんどなく、双方向型配信の形式と違ってコミュニケーションも取れないため、視聴者の立場になると、あまりメリットがありません。

本編は一方向配信で実施し、残り時間は双方向配信に切り替えて質疑応答を行うなど、双方向配信と組み合わせる方法がおすすめです。

録画配信

録画配信は、あらかじめ録画されたウェビナーの映像を配信する方法です。リアルタイム配信に限定するよりも多くの顧客へウェビナーの内容を届けることができ、リアルタイム配信の「見逃し配信」としても活用できます。

また、 配信された動画は繰り返し再生できるため、参加者が内容の復習に使うこともできます 。セミナーの内容をより深く理解するための手助けとなるでしょう。

ウェビナーの開催に必要な準備

ウェビナーの開催に必要な準備

ウェビナーを成功させるには、目的に合わせたコンテンツをしっかりと準備し、機材を揃えておく必要があります。ここでは、ウェビナーの開催に必要な準備について解説します。

ウェビナーの内容を固める

具体的なウェビナーの内容を作成する前に、内容の方向性を決めましょう。

 最初にセミナーの内容を伝えたいターゲット(対象者)を具体的に設定しましょう 。ターゲットを定めることで、ニーズに合ったコンテンツを考えることができます。無駄なく効率良くウェビナーの内容を決めるためにも、ターゲット設定は正確に行いましょう。

次に、参加者にとって有益な情報をわかりやすく伝えるタイトルやシナリオを考えます。参加者が途中で離脱しないように、興味を持って参加できる工夫をしましょう。「構成や時間配分を考える」「結論ファーストで話す」「スマートフォンでの見やすさも考慮して資料を作る」などの対策が効果的です。

集客につながるウェビナーのタイトルを決める方法やコツについては、こちらの記事で詳しく解説しています。興味のある方はぜひ参考にしてください。

効果的なウェビナータイトルの作り方とコツを解説!

ツールを用意する

ウェビナーの内容が固まったら、配信方法も事前に考えておきましょう。録画配信であれば事前に動画撮影や動画編集を行う必要があり、双方向型配信であればチャットやアンケート機能が使えるツールを選ばなければいけません。

ツール選びで確認したい機能は次の通りです。

  • 画面共有機能
  • 参加者の管理機能
  • 同時接続可能人数
  • チャット機能やアンケート機能

これらの中から、想定した参加者や開催規模に必要な機能を満たすツールを選びます。無料のツールに使用したい機能がない場合は、有料ツールの導入も検討しましょう。

 ウェビナーのツールは、主催者だけでなく参加者にとっても使いやすいものであることが重要です 。知名度や普及率が高いツールであれば、抵抗感も少なくなるでしょう。アプリのインストールなどの事前準備がいらないツールもあります。

機材・配信環境を整える

機材や配信環境は、配信の品質を大きく左右します。

パソコンは、配信に必要なスペックを満たしたものを用意しましょう。カメラやマイクは外付けのものを準備すると、高品質な音声や映像を参加者に届けることができます。

インターネット回線は、高速で安定した接続が可能な光回線を選びましょう。また、 Wi-Fiで無線接続するのではなく、有線LAN接続することで通信を安定させることができます 

ウェビナー配信に必要な機材や選び方のポイントを解説

集客する

ウェビナー配信の準備ができたら、次のような方法で集客を行います。

  • イベントページを作成
  • メールマガジンを送信
  • SNSによる告知
  • Web広告

どの方法であっても、 開催日時や参加方法、セミナーの内容といった必要な情報は確実に記載します 

ウェビナーの集客方法と集客のポイントを解説ウェビナーの案内メールの書き方とポイントをテンプレート付きで解説!

ウェビナーをマーケティングに活用しよう

ウェビナーは一般企業でも手軽に開催することができます。

オフラインのセミナーよりも低コストで場所や時間に縛られず気軽に参加できるため、ウェビナーは従来よりも多くの集客が見込めます。新しい層にアプローチできるため、自社製品の情報提供やリードの獲得などの機会も増えることでしょう。

この記事を参考にしてウェビナー開催の価値を理解して、ウェビナーを自社のマーケティングに活用してみてください。

ウェビナー成功のコツとは?話し方や運営のポイント

記事監修者

記事監修

津曲雄也マーケター・ウェブ解析士

マーケティング支援ツールのコンサルティングセールスとして導入支援をおこなう傍ら、自身もオンライン商談を月に50回以上実施。その知見を活かし自身が出演するYouTubeチャンネルでも動画を数多く公開。