オンライン商談に多い課題と解決策
新型コロナウイルス感染の影響により、商談の場が対面からオンラインへと移行しています。対面とは異なるオンラインでの商談に苦戦し、うまく商談を進められず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、オンライン商談に対する苦手意識を解消できるよう、多くの人が直面する課題とその解決策を解説します。
オンライン商談の課題①コミュニケーション
オンライン商談は対面と比べて制約が多く、商談の流れがつかめない、顧客とのコミュニケーションが難しく感じるケースが多くあります。
ここではオンライン商談におけるコミュニケーションの難しさの要因・課題と、その解決策を解説します。
説明が伝わっているか顧客の反応を把握しにくい
オンライン商談は対面と違って直接空気を感じることができません。 画面に映る相手の表情や発言から相手の態度を探るしかない ため、顧客の反応を把握するのが難しいのです。
相手の反応がないとき、「何かわからないことはありますか」と抽象的な質問をしていないでしょうか。質問をすること自体は問題ありません。しかし、このような質問には答えにくいため、実際はよくわかっていない場合でも、顧客は「大丈夫です」「特にありません」と答えてしまいがちです。
オンライン商談で 相手に投げかける質問はできるだけ具体的にしましょう 。「〇〇について説明しましたが、理解しにくい点や詳しく説明してほしい点はございますか?」というように、質問の焦点を絞ることで相手も答えやすく、反応や理解度を確認しやすくなります。
商品の実物を見せられない
オンライン商談の課題として、 商品の実物を見せられない ことが挙げられます。
サービスなど無形の商材であれば、そもそも実物はありません。しかし、取り扱う商材によっては「実物を見ないとどんな商品かわからない」「購入後の導入イメージがわかない」といった問題に直面します。
解決策として、 商談当日までに顧客に商品サンプルを送る 方法があります。商談中に事前送付したサンプルを手にとってもらい、その場でチェックしながら商品説明を行えば、実物を見せられないという悩みは解消できます。
サンプル送付ができない商品の場合は、カタログや紹介動画、実際の購入者のアンケートや感想などをまとめ、事前に共有しておくとよいでしょう。手元に商品がなくても、購入者の生の声でどんな商品かをイメージしてもらうことが可能です。
複数人が同時に発言できない
オンライン商談では 複数人が同時に発言できません 。
オンライン商談は場の雰囲気や参加者の所作を感じ取りにくく、誰が発言しようとしているのかわかりづらいものです。そのため、他の人と発言のタイミングがかぶってしまい、内容が聞き取れない、会話がかみ合わないといった状況がよく起こります。
このような状況を避けるには、発言する前に名乗ったり、誰かに意見を求めるときはその人の名前を読んでから問いかけたりするなど、参加者の注意を集めるようにしましょう。もし参加者と発言がかぶってしまったならば、自分は発言をやめて、相手に会話の主導権を譲るようにしましょう。
オンライン商談の課題②通信環境
オンライン商談を成功させるには通信環境にも配慮が必要です。商品やサービスの内容がどれほど素晴らしいものであっても、相手にうまく伝えられなければ意味がありません。
ここでは通信環境によくある課題と解決策を解説します。
音声や映像が安定せず円滑に商談が進まない
不安定な通信環境で音声や映像が途切れ、円滑に商談が進まないことがあります。
オンライン商談をスムーズに行うためには、 安定した通信環境 が必須です。自分や相手のインターネット通信が遅いと、画面がフリーズしたり音声が聞き取りづらくなったりします。そうなると会話の内容が頭に入りづらくなり、商談の効率が落ちる要因になりかねません。
ポケットWi-FiやフリーWi-Fiを使用して自分の通信速度が遅い場合、回線の安定した場所に移動しましょう。本来は有線接続を利用するのが理想です。
相手の通信環境が不安定な場合、ビデオをオフにしたり、電話での商談に切り替えたりするのも一つの方法です。トラブルに柔軟に対応できるよう、なるべく複数の通信手段を準備しておきましょう。
周囲の雑音を拾ってしまう
オンライン商談で使うマイクは周囲の雑音も拾ってしまいます。
騒がしいオフィス内などでオンライン商談をおこなうと、周囲のノイズがそのまま相手に伝わってしまい、顧客は商談に集中できません。商談を行う場所は、周囲に人のいない会議室や個室を用意し、 なるべく静かな環境 を選びましょう。
静かな場所を用意するのが難しい場合は、今ある環境の中で工夫をしましょう。 パーテーションでデスクを区切る、ノイズキャンセリング機能付きマイクや指向性マイクを使用する といった対策がおすすめです。
オンライン商談の課題③社内コミュニケーション
オンライン商談を利用したくても、会社員の場合は社内の理解を得られないと導入できません。オンライン商談を導入できた場合でも、社内での情報共有が不十分だとなかなか浸透しないこともあります。
ここでは社内コミュニケーションの課題と解決策を解説します。
オンライン商談導入の社内理解が得られない
長く対面での商談を行ってきた社員の中には、オンライン商談に抵抗がある人もおり、 導入に理解を得られない ケースがあります。
直接会うことにこだわりを持つ営業担当者やITに疎い役員が多い会社などでは、なかなかオンライン商談を導入できない可能性があります。
オンライン商談の導入を希望するのであれば、決裁権者に時間をかけて丁寧にオンライン商談の必要性を説明することが大切です。また、社内研修を定期的におこない情報共有を十分に行う、サポートが手厚いツールを選んでフォロー体制を整えるなど、導入後も問題なく運用できることをアピールしましょう。
商談の情報をうまく共有できない
オンライン商談では、 商談の情報を社内でうまく共有できない問題 も起こりやすいです。
リモートワークなどでオンライン商談を行い、その情報が社内で連携できていないと、担当者など特定の人だけしか状況を把握できていない状態になりやすいのです。
解決策として、商談情報の共有を意識的に行うことをおすすめします。録画した商談の様子を共有すれば情報の共有が可能です。実績のあるメンバーの商談内容は、他のメンバーにも参考になり、研修資料としても活用できるでしょう。
誰でも社内で広く情報を共有できるよう、共有方法は動画やマニュアルにまとめておくとよいでしょう。
オンライン商談の課題④顧客が抱えるハードル
顧客の理解がなければオンライン商談はできません 。今では一般的になりつつあるオンライン商談ですが、抵抗のある顧客もいます。ここでは顧客が抵抗を感じやすいポイントとその解決策を紹介しましょう。
顧客がオンライン商談に慣れていない
顧客がオンライン商談に慣れていない場合、抵抗感を弱める工夫が必要 です。受け入れ態勢が整っていない顧客に、いきなりオンライン商談を打診しても困惑してしまいます。事前に十分に説明を行い、顧客の理解を得ることが重要です。
デジタル機器やインターネットに慣れていない人でも操作できるように、オンライン商談で使用するツールは簡単で扱いやすいものを選ぶようにしましょう。機能が豊富でも扱いが難しいツールは敬遠されがちです。最低限必要な機能が備わった操作しやすいツール選びを心がけましょう。
ツールが使えないケースも想定し、 電話など別の方法もあわせて案内しておく と顧客も安心できます。
顧客がオンライン商談に消極的
顧客がオンライン商談に消極的ならば、 対面での商談とオンライン商談をうまく使い分ける とよいでしょう。
顧客が対面の商談を希望する場合や、会社セキュリティの関係上、オンライン商談をすぐ導入できない場合もあります。対面を希望する顧客にはオンライン商談に固執せず、柔軟に対応しましょう。
初回の面談は対面で直接顔を合わせて信頼関係を築き、2回目以降の商談やアフターフォローにオンライン商談を活用する のも有効です。オンライン商談の課題と解決策まとめ
今回はオンライン商談の課題と解決策について解説しました。
オンライン商談は対面よりもコミュニケーションが難しく、苦手意識を持つ人もいるでしょう。しかし、うまく活用すれば時間やコストを削減でき、業務効率を大幅に向上させることができます。
この記事を参考にしてオンライン商談の課題を理解し、状況に合わせた対応ができるようにしていきましょう。