Zoomウェビナーとは?機能やZoomミーティングとの違いも紹介
リモートワークの環境が整い、セミナーや研修をインターネット上で行う機会が増えています。
オンラインでセミナーを開催するには、ウェビナーツールが必要です。この記事では、オンラインミーティングで有名なZoomにおいてウェビナーを開催できるZoomウェビナーについて解説します。
Zoomウェビナーの機能やZoomミーティングとの違いも解説するので、ウェビナー配信を検討している担当者の方はぜひお読みください。
Zoomウェビナーとは?
Zoomウェビナーは、オンライン会議ができるZoomミーティングのオプション機能です。利用するにはZoomミーティングの有料プランを契約したアカウントを用意したうえで、アドオンでZoomウェビナーの契約をする必要があります。ただし、エンタープライズプランを契約している場合は、アドオンを追加しなくてもそのまま利用可能です。
Zoomウェビナーはインターネット上で行うイベントやセミナーに特化した機能があり、対面でのセミナーなどと同じように多数の視聴者に対してプレゼンテーションを実施できます。PCやタブレット、カメラ、マイク、Zoomアプリがあればウェビナーの開催が可能です。
Zoomウェビナーの特徴・他のウェビナーツールと比較したメリット
数あるウェビナーツールの中で、Zoomウェビナーはどんなところが優れているのでしょうか。ここでは、Zoomウェビナーの特徴や選ぶメリットを解説します。
シンプルで操作がしやすい
Zoomウェビナーは シンプルな操作感 が魅力です。まず主催者側からすると、メールを使った参加登録やセミナーの管理、セミナー中の視聴者への対応など、セミナーに必要な機能が簡単な操作で直感的に行えます。
参加者目線でも使いやすい仕様です。画面にはチャットや挙手、Q&Aの3つだけ表示されていて、シンプルなUIになっています。セミナーに参加するために必要な機能が、うまくまとまっています。
参加者はアプリなしでも使用が可能
他のウェビナーツールは専用のアプリをインストールしなければいけないことが多くあります。Zoomウェビナーにもアプリは用意されていますが、アプリがなくてもブラウザから参加可能です。 参加者に余計な負担がかからないため、参加へのハードルが下がります 。
また、Zoomはミーティングツールとして広く普及しているため、アプリから参加したいという視聴者もインストール済みの人も多く、新たにソフトやアプリをインストールしなくても参加が可能です。スマートフォンやタブレットのアプリもあるので、視聴しやすい環境を参加者側に選んでもらえます。
スムーズな進行が可能
Zoomウェビナーでは 参加者のコミュニケーション方法が限定 されていて、ウェビナーの進行を邪魔されることがありません。最大1万人の大規模なウェビナーでも参加者は原則視聴しかできないため、スムーズに進行ができます。
また、あらかじめ質疑応答の時間を決めておけば、チャットやQ&Aなど視聴者が利用する機能の時間制限が可能です。参加者の対応を共同ホストに任せることもできるため、講師はセミナーの内容に集中できるメリットもあります。
料金が安い
ウェビナーツールは月額数万円かかるものが多くあります。しかし、Zoomウェビナーであれば安いプランで月額5,000円程度から利用でき、比較的料金が安いです。
無料でウェビナーを行える方法もありますが、ウェビナーを意識して作られていない場合があります。 低コストかつウェビナーに必要な機能を備えている 点で、Zoomウェビナーは魅力的です。
ウェビナーの料金は、こちらの記事で詳しく解説しています。
通信が安定している
Zoomは独自のデータ圧縮技術により、少ない通信量で参加者に映像や音声を届けられます。
映像や音声の途切れは参加者の満足度にも関わる ため、重要なポイントです。参加者の回線状況はさまざまあるため、少ない通信量でウェビナーを届けることが必要です。
Zoomウェビナーの仕様では上り・下りともに3Mbpsあれば利用できますが、安定した通信のためには上り・下りともに10〜30Mbps程度の速度を目安にしましょう。
Zoomミーティングが広く利用されている
Zoomミーティングは利用者が多く、参加者も使い慣れている場合が多くあります。ZoomウェビナーもZoomミーティングと同じアプリ上で操作するため、 使いやすいツールが利用できるのであれば視聴者も安心して参加が可能です 。
主催者側も参加者側も、別のツールをインストールする手間や操作方法に一から慣れる必要があると、心理的ハードルが高まります。使い慣れたツールでも参加できる点は、双方にメリットがあるといえます。
Zoomウェビナーの使い方
Zoomでウェビナーを開催する場合、 まず開催予約を行います 。Zoomにログイン後、ウェビナーの画面からスケジュール登録をしましょう。その後、Webポータルからウェビナーのトピックや開催日時、アンケート内容などの詳細を決定します。他にもバナーやロゴ、登壇者情報の登録など、より細かな設定が可能です。
設定完了後、案内メールを参加者に送ってください。スケジュール登録時に氏名とメールアドレスの入力を必須にすることができ、その場合は登録後にウェビナーの参加URLが送付されます。
URLが届いた参加者が、届いたURLをクリックします。氏名など情報の登録が必須であれば、案内に従って入力。ホストがパスワードの設定を行っているのであれば、パスワードも入力しましょう。
Zoomウェビナーのより詳しい使い方は、こちらの記事で解説しています。あわせてチェックしてみてください。
Zoomウェビナーの主な機能
Zoomウェビナーには、ウェビナー中のコミュニケーションや参加登録などをする際に便利な機能が備わっています。ここでは、代表的な機能をいくつかご紹介します。
チャット・Q&A・挙手等のコミュニケーション機能
Zoomウェビナーでは参加者のカメラやマイクをオンにできないようになっており、ミーティングのように自由に発言できません。その分、チャット・Q&A・挙手機能などさまざまなコミュニケーション手段が用意されているのです。
匿名でチャットや質問を送信すると名前を明かさずに質問ができるので、 発言へのハードルが下がり、活発な議論を促す ことにつながります。また、主催者は参加者の反応を見ながら講義の内容を変えられるため、ウェビナーの質が高まり参加者の満足度を高める効果があります。
投票・アンケート機能
主催者側は、投票機能によって参加者やパネリストを対象にアンケート調査を実施できます。一回の投票で最大10個の質問を事前に設定可能で、一回のウェビナーで最大25個まで投票が作成可能です。
参加者にセミナーの理解度に関する質問を行えば、開催した ウェビナーの評価を客観的に把握できます 。参加者からまとまった意見を収集できるため、質問内容次第では、次回以降のウェビナーの内容を反映したり、自社の商品やサービスを改善につなげたりすることも可能です。
レポート機能
Zoomウェビナーには、レポート機能が備わっています。 参加者の出席率や離脱率のほか、参加者の入退出のタイミングも分析可能 です。
ウェビナーに慣れていない場合、トラブルに対処しきれず、参加者がウェビナーの途中で離脱する可能性があります。レポート機能で離脱のポイントを分析して内容を改善し、次回以降のウェビナーの質を上げることが可能です。
参加登録ページの作成
参加者がウェビナーへ参加登録をするための申し込みページを作成できます。氏名とメールアドレスの入力は必須で、他には住所や会社名、役職名などの質問だけでなく、独自の質問を追加することも可能です。
ウェビナーの参加登録ページは、フォーム作成ツールなどを使っても作成できます。しかし、ウェビナーを開催するたびにページを作成しなければならず、手間がかかります。
Zoomウェビナーで参加登録ページを作成すれば、他のフォームを導入する手間がかかりません。さらに、 登録した情報はZoom内で管理ができ、MAツールやCRMツールとの連携も可能 です。ウェビナー開催後も、参加者のフォローや効果的なアプローチを続けることができます。
Zoomウェビナー登録の詳細な手順は、こちらをご覧ください。
画面共有機能
Zoomミーティングでは参加者全員の画面を共有しますが、 Zoomウェビナーではホストとパネリスト間のみで画面を共有 します。参加者との画面共有はできません。
ホストは参加者の画面上に、ウェビナーで使う資料を表示可能です。さらに。表示した資料にはテキストや手書きの線を加えられます。参加者の理解度を深めるために有効な機能です。
収益化機能
収益化オプションを利用すると、ウェビナーから収益を得ることができます 。
タスク自動化ツールのZapier(ザピアー)でPaypalと連携すると、収益化が可能です。主催者側は料金設定をして、参加者はクレジットカードやPaypalで料金を支払うだけのシンプルな決済方法となっています。支払いが完了すると、ウェビナーの参加情報が送信されます。
ライブストリーミング配信機能
Zoomウェビナーでは開始前に設定を行うだけで、Youtube LiveやFacebook Liveでライブストリーミング配信できます。Zoomウェビナーの定員を気にすることなくセミナーの配信が可能です。
ライブストリーミングサービスを使うと、ウェビナー配信後すぐに映像を公開できます。Facebook Liveではシェア機能により動画が拡散しやすく、Youtube Liveでは多くのユーザーへのリーチを狙うことが可能です。Youtubeなど 外部にもセミナーの様子を公開したい企業の場合、非常に役立つ 機能といえます。
ZoomウェビナーとZoomミーティングの違い
ZoomウェビナーとZoomミーティングは、利用シーンや機能面でさまざまな違いがあります。それぞれの特徴をまとめた表は、次の通りです。
【主な機能の比較】
Zoomウェビナー | Zoomミーティング | |
人数上限 | 500~10000人 | 1000人まで |
役割(ロール) | ホスト、パネリスト、参加者 | ホスト、参加者 |
参加者一覧の確認 | ホスト、パネリスト | 参加者全員が可能 |
オーディオ共有 | ホストとパネリストのみがミュートオン・オフできる 出席者は視聴専用モード |
参加者全員がミュートオン・オフできる |
カメラ | ホストとパネリストのみカメラのオンオフができる 出席者は視聴専用モード |
参加者全員が可能 |
画面共有 | あり | あり |
リアクション | 挙手のみ | 様々なリアクションが可能 |
Q&A | あり | なし |
ホワイトボード | あり | あり |
ファイル転送 | あり | あり |
メールでのリマインダー | あり | なし |
PayPal統合 | あり | なし |
ライブ配信 | あり (Facebook,Youtube,Workspace for Facebookなど) |
あり (Facebook,Youtube,Workspace for Facebookなど) |
ブレイクアウトルーム | なし | あり |
利用シーン | 学生向けの合同説明会 入学式、卒業式 オンライン授業の配信 研修・入社式 商品説明会 社外向けイベント |
会議 少人数の勉強会 商談・面接 |
利用シーン
ZoomウェビナーとZoomミーティングは、利用シーンによってどちらが適しているか変わります。
Zoomウェビナーは、1対多数のコミュニケーションが必要なイベントに役立てられます 。合同説明会や商品説明会、オンライン授業の配信や研修など、多くの人を集めて行うイベントであれば社内外を問わず幅広く利用が可能です。
一方、 参加者同士で双方向のコミュニケーションが必要な場面では、Zoomミーティングが利用されます 。会議や勉強会、オンライン商談や面接など、少人数で行う業務に利用されています。
参加人数の上限
Zoomミーティングの定員は100人から1,000人なのに対して、Zoomウェビナーでは100人から1万人の視聴者が参加可能です。
Zoomミーティングでもウェビナーを開催することは可能です。しかし、会議での利用を想定しているため、セミナーに使用する機能が不足していたり、1,000人を超える規模の大きいウェビナーでの利用には不向きだったりします。 多くの参加者に情報を届けたいのであれば、Zoomウェビナーが適しています 。
参加者の役割(ロール)の種類
ZoomミーティングやZoomウェビナーを利用する際、「ホスト」や「パネリスト」という言葉の意味を押さえておきましょう。
ホストはウェビナーの主催者で、ウェビナー全体の権限を持っています。ウェビナーの開始と終了ができ、画面共有や顔出しが可能です。パネリストはホストが選んだ登壇者や講師を表しており、ホスト同様に画面共有や顔出しができます。
Zoomミーティングに参加する人の役割は、ホスト・共同ホスト・視聴者の3種類 です。一方、 Zoomウェビナーではホスト・共同ホスト・視聴者に加えて、パネリストの役割が追加されます 。視聴者をパネリストに昇格させることも可能です。機能
Zoomウェビナーのみの機能は、次の通りです。
- Q&A
- メールでのリマインダー
- PayPalとの統合
反対に、次の機能はZoomミーティングにしかありません。
- リアクション
- カメラやマイクのオン・オフ切り替え
- ブレイクアウトルーム
Zoomウェビナーは一方向のコミュニケーションを前提としている一方、Zoomミーティングは双方向のやりとりを映像や音声で行う必要があります。 不要な機能がカットされているZoomウェビナーに比べると、Zoomミーティングの方が豊富な機能を備えています 。
通常、Zoomウェビナーでは参加者のカメラをオンにはできません。しかし、参加者のステータスをパネリストに昇格すると、ウェビナーでも参加者の顔出しができるのはご存じでしょうか。そのやり方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
Zoomウェビナーでウェビナーを開催しよう
会議や面談での利用を想定したZoomミーティングと違い、Zoomウェビナーは多数の方に向けて情報を伝えるウェビナーに最適なツールです。使い慣れたZoomアプリで操作できるため参加者の負担が少なく、他のウェビナーツールと比べて料金が安いため、主催者にも参加者にもメリットがあります。
ウェビナーの開催をするのであれば、ぜひZoomウェビナーの活用を検討してみてください。