
オンライン接客とは?サービスの概要や導入事例を紹介
「オンライン接客ツールを選ぶポイントを知りたい」
「そもそもオンライン接客とはどのようなものなのか」
対面での接客に代わる手段として、オンライン接客が注目されています。しかし、自社へ導入しようにも、どのオンライン接客ツールを選べばよいかわからない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、オンライン接客の種類から導入のメリット、注意点、企業での成功事例まで、オンライン接客の導入に役立つ情報をご紹介します。
オンライン接客とは
オンライン接客とは、「 インターネットを使ったオンライン上での接客 」のことです。
新型コロナウイルスの感染拡大により、対面での接客に代わるものとして、オンライン接客の需要は大きく拡大しました。在宅勤務の増加も、オンライン接客の普及を後押ししています。
オンライン接客では、直接対面しなくても、相手の表情を見ながらリアルタイムでコミュニケーションをとることができ、場所にとらわれず商談が可能です。
商品や資料を見せることもできるため、対面とほとんど変わらない接客が行えます。法人向けの商談やプライベートレッスンなどでも利用され、さまざまなビジネスシーンで活用されています。
オンライン接客の種類
オンライン接客に利用される代表的なツールは以下の4つです。
- Web会議システム・ビデオチャットツール
- チャットツール
- SNS
- VR
それぞれの特徴から、目的にあった最適なツールを選びましょう。
Web会議システム・ビデオチャットツール
Zoomなど、 Web会議システムやビデオチャットツールによるビデオ通話 でオンライン接客を行う方法です。
高画質・高音質のビデオ通話で、ストレスなくコミュニケーションがとれます。お互いの表情を見ながらリアルタイムで接客を行えるため、対面と変わらない丁寧な接客が可能です。
Zoom以外のWeb会議システムやビデオチャットツールには、Microsoft TeamsやSkype Meet Now、Google Meetなどがあります。無料で使えるツールも多く、コストパフォーマンスも優れています。
チャットツール
チャットツールを使ったテキストコミュニケーション も、オンライン接客のひとつです。テキストチャットには2種類あります。
1つ目は AIによるチャットボット です。人手が不要のため、コスト削減やスタッフの作業負担軽減を図れます。
2つ目は 有人のチャット です。人手や人件費はかかりますが、チャットボットよりも柔軟な対応が可能です。顧客の要望に丁寧に回答できれば、顧客満足度が高まり、成約率や購入率の向上が見込めます。
SNS
LINEやInstagram、Twitter、FacebookなどのSNS を使ったオンライン接客も可能です。総務省の調査によると、2020年のSNS利用率は73.8%であり、多くの人が日常的に利用しています。顧客が普段使っているSNSサービスを利用するため、ツールやアプリを登録する手間がかかりません。
Instagramでは、ライブ中継とECサイトからの購入を組み合わせたライブコマースも可能です。多数の顧客へ発信しながら、臨場感のある接客で顧客の購買意欲を高められます。
VR
VR(バーチャルリアリティー) を使用したオンライン接客も注目されています。VR空間内のバーチャル店舗やショールーム内を自由に回遊することで、顧客は実際の店舗に足を運んでいる感覚で商品を見ることができます。
VRは不動産の内見にも利用されています。室内を自由に行き来でき、物件をより具体的にイメージすることが可能です。
オンライン接客サービス導入のメリットと課題
オンライン接客サービスの導入により、以下の3つのメリットが期待できます。
- 成約率の向上
- 顧客単価アップ
- 商圏の拡大
実際の店舗と同じように接客を行えるのは、オンライン接客の大きな強みです。ECサイトと違い、 双方向のコミュニケーションで顧客の悩みを解決できる ため、成約率の向上が見込めます。
また、接客で得た情報をデータとして収集し、マーケティング施策に活用しやすい点もメリットです。
レコメンド機能を強化してアップセル(上位商品の購入)やクロスセル(セット購入) につなげれば、顧客単価アップを図れます。 商圏拡大 もオンライン接客の大きなメリットです。顧客はオンライン環境があればどこでも接客を受けられ、企業は遠く離れた顧客にもアプローチできます。 企業と顧客の双方にとってwin-winの方法 といえるでしょう。ただし、オンライン接客には課題もあります。オンライン接客のデメリットについては、以下の記事をご覧ください。
オンライン接客のポイント
オンライン接客を成功させるには、どのようなポイントを押さえればよいのでしょうか。
それにはまず、 顧客が「買いたい」と思ったタイミングで購入できる導線を設計する ことがポイントです。購入から決済までをストレスなく完了できる導線を作れば、離脱を防ぎながら、購入に関する問い合わせ対応を減らす効果も狙えます。
アパレル販売で注目されるオンライン接客!企業事例・メリットまで解説
また、 オンライン接客のノウハウの共有 もポイントです。実際の接客と基本は同じであっても、商品の見せ方や視線の送り方など、オンライン接客ならではのコツが存在します。顧客に安心感を与えるためにも、オンライン接客のノウハウを従業員間で共有し、次の接客に活かしていくことが大切です。
オンライン接客を成功させるコツとは?今すぐ実践できるポイントを解説
オンライン接客の成功事例
「オンライン接客ツールの導入に興味はあるものの、具体的なイメージが掴めない」
こうした悩みは、他社の成功事例を知ることで解決できるかもしれません。ここでは、オンライン接客を導入した企業の成功事例を3つ紹介します。
ベイクルーズ(アパレル)
JOURNAL STANDARDやIENAなどのブランドを展開する株式会社ベイクルーズは、新型コロナウイルスの感染拡大以前よりオンライン接客に力を入れています。
Zoomを使った「オンライン接客サービス」では、店舗スタッフから商品のサイズ感やコーディネート方法のアドバイスを受けられます。また、 手持ちのアイテムを見せれば、それに合った商品の提案 も行なっています。自宅で受けられるオンライン接客のメリットをうまく活かした接客方法といえるでしょう。
ベイクルーズのファッション通販 – BAYCREW’S STORE
三越伊勢丹(百貨店・デパート)
大手百貨店の中でいち早くオンライン接客を導入したのが、三越伊勢丹です。
自社開発の「三越伊勢丹リモートショッピングアプリ」を利用したオンライン接客では、チャットやビデオ通話での接客はもちろん、決済や配送手続きまで アプリ内で完結 します。消費者が欲しいと思ったタイミングで購入できるよう、 オンライン接客中でも購入手続きに進める導線設計 が構築されています。
ビックカメラ(家電量販店)
家電量販店大手のビックカメラでは、特定のメーカーの商品を対象に、2020年9月からオンライン接客を開始しました。
予約不要で利用できるビデオ通話で、製品に詳しいメーカー担当者による解説や実演を見ることができます。
他の導入事例を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
アパレル販売で注目されるオンライン接客!企業事例・メリットまで解説オンライン接客の事例!三越伊勢丹など6つの事例を徹底解説
オンライン接客の注意点
オンライン接客ツールは便利ですが、店舗での接客では起きない問題が発生することもあります。利用する際の注意点を確認しておきましょう。
導入にコストがかかる
オンライン接客ツールの導入には、コストがかかる場合があります。
無料で利用できるツールもありますが、専用アプリの開発や有料のツールを導入する場合は費用がかかります。 オンライン接客により人件費の削減や成約率の向上による売上増加が見込めるなら、費用をかけても導入を検討すべき でしょう。
対応ミスによるイメージ低下のおそれがある
担当者の不適切な対応によって企業イメージの低下につながる おそれがあります。オンライン接客では不特定多数を相手にすることもあります。多くの人に同時に訴求できる点は魅力ですが、対応を一歩間違えば、批判を受けるリスクがあります。すべてのリスクを回避することはできません。しかし、オンライン接客の注意点について従業員同士で話し合う、マニュアルを作成するなど、トラブルを未然に防ぐため、できるだけの対策はとっておきましょう。
対面接客よりも温度感が伝わりにくい
オンライン接客は、 対面接客よりもその場の雰囲気や感情が伝わりにくい です。
ゆっくり大きな声で話し、情報をわかりやすく簡潔に伝えるように心がけましょう。また、必要に応じて顧客に声をかけ、疑問や不明点がないかを確認しながら進めることが大切です。
オンライン接客の今後
オンライン接客は、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに広まりました。
当初は人との接触を避けられるメリットに注目されましたが、その利便性や実用性の高さから、企業や消費者の多くが、接客の新たなスタンダードとして認識しています。オンライン接客の需要は高く、感染収束後も普及は進んでいくと考えられます。
オンライン接客は場所にとらわれないだけでなく、その特徴を活かしたさまざまな接客が可能です。企業と顧客双方にメリットがあり、今後さらに多くの企業がオンライン接客を導入していくでしょう。
オンライン接客で実店舗と同じサービスが受けられるようにしよう
オンライン接客はうまく活用すれば大きな効果をもたらします。導入のデメリットや課題もありますが、そのほとんどは事前に対策が可能です。
オンライン接客に利用するツールを選ぶ際は、どのような点を改善したいのか、目的を明確にし、それにあったツールを選びましょう。